五島源正蔭作之 / 慶応二年十二月日

時 代 江戸時代 : 慶応二年十二月日 (1866年)
形 状 鎬造 刀
長 さ 74.8cm / 二尺四寸六分半
反 り 2.0cm / 六分六厘
元 幅 3.15cm / 一寸三分九厘
元 重 0.8cm / 二分六厘
認 定 特別保存刀剣 / 日本美術刀剣保存協会
附 属 白鞘 / 銀太刀ハバキ
価 格 案内終了

五島源正蔭作之

造込 鎬造、庵棟、寸延びて浅く反り、元先の身幅変わらず、中鋒
   小板目細かに約(つ)む
   小丁子 小互の目 尖り互の目 片落ち互の目を 頭を揃えて
    まじえ、足刃先近くまで長く入り、小沸付く
帽子 乱れ込み 尖って浅く返る
彫物 棒樋 ハバキ中丸留
   生ぶ、化粧鑢、刃上がり栗尻、孔二つ  

■ 正蔭は、源清麿の高弟 源正雄(鈴木正雄)門人、清麿の孫弟子にあたります。
清麿の御刀が地刃共に躍動感溢れるのに対し、本作は緻密にして繊細、知性的な趣を携えた優刀です。
小丁子 小互の目に、尖りごころの互の目や 片落ち互の目をまじえ、乱れの頭を一線に揃えた刃紋。 多様な刃文をモザイク画のように適所に当てはめ、しかも破綻なく焼き上げた技量は相当なものです。
またこの刃文が載る地鉄は、細かに約んだ小板目。 こちらも波状なく念入りに鍛えられ、また腰元には地景を見せるなど、 地鉄からも正蔭の技量を窺い知ることが出来ます。

■ 正蔭は、幕末・安政から明治初年にかけて鍛錬を行っていますが、作刀数が少く、目に触れる機会も限られていました。 そのためか 幕末期の一刀匠という位置づけですが、本刀を見るにその評価は大きく変わることでしょう。
清麿とは全く異なった作風ですが、華麗な一門の系譜をしっかりと継承する 正蔭 の一振り、優刀です。

                   干将庵 / 2013年12月15日

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